若年層を筆頭に3Kの仕事として

毛嫌いされがちな農業ですが、

農業従事者の減少・高齢化に伴う農薬への依存度上昇は、

深刻な結果を招いてしまっています。



木村 平成27(2015)年7月、イタリアのミラノでスローフード協会が主催した農業関係者の集いに招待されました。

 

世界80ヵ国から参加した6000人もの若い農業関係者が一堂に集まり、そこで私は、「21世紀は農業ルネサンスの時代だ」というテーマで、肥料、農薬、除草剤を使わない自然栽培で作ったリンゴの話を中心に、安心、安全な農業を復活(ルネサンス)させようというスピーチをしました。

 

すると講演後に、一人の若者がつつっと寄ってきたのです。立派なあごひげのエジプトの青年で、真顔で私の目を見つめ、こう言ってきました。

 

「木村さん、日本の寿司や和食はとても有名です。でも、本当に安心して食べられるのですか?」

 

日本の和食は平成25(2013)年にユネスコ無形文化遺産に登録され、ローカロリーでヘルシーということもあって、世界の多くの人から愛されています。なのにこの青年はなにを言ってるのだろう。もしかして福島第一原発の事故による放射能汚染のことが心配なのかなと思って聞いてみたら、

 

「いいえ。チェルノブイリ原発事故の例があるから、放射能汚染の深刻さはわかっています。それではなく野菜の硝酸態窒素の問題です。日本では硝酸態窒素が多く含まれた野菜をいまだに売っていると聞いています。なぜ日本人はそんなに無防備なのですか?」

 

と。すると「そうだ、そうだ!」と言わんばかりに、肌の色の異なった20人ほどのでかい若者たちに囲まれて、「日本の食材は本当に安全なのか」と、つるし上げを食らったんです。 

 

皆さんは聞き慣れない言葉かもしれませんが、硝酸態窒素は多くの病気の根源とも言われている怖ろしいものです。

 

今から60年ほど前のアメリカで、ある母親が赤ん坊に裏ごししたホウレンソウを離乳食として与えたところ、赤ん坊が口からカニのように泡を吹き、顔が紫色になったかと思うと30分もしないうちに息絶えてしまう悲しい出来事がありました。ブルーベビー症候群と呼ばれるものです。

 

牛や豚、鶏などの糞尿を肥料として与えたホウレンソウの中に硝酸態窒素が残留していたんです。

 

硝酸態窒素は体内に入ると亜硝酸態窒素という有害物質に変わり、血液中のヘモグロビンの活動を阻害するので酸欠を引き起こし、最悪の場合死に至ってしまう。また、発がん性物質のもとになったり、糖尿病を誘発すると言われている怖ろしいものなんです。

 

家畜の糞尿は有機栽培でも使われますが、堆肥を十分に完熟させてから施せば問題はありません。

しかし未完熟の堆肥を使うと、とくに葉ものには硝酸態窒素が残ってしまうので危ないのです。

 

さらに危ないのは化学肥料を施しすぎた野菜で、要注意です。

 

このような事件がその後も多発したために、ヨーロッパでは硝酸態窒素に対して厳しい規制があり、EUの基準値は現在およそ3000ppmと決められています。それを超える野菜は市場に出してはならない。汚染野菜として扱われるのです。

 

ところが日本にはその基準がなく野放し。農林水産省が不問に付しているからです。

 

スーパーで売られているチンゲンサイを調べたら硝酸態窒素、いくらあったと思いますか? 1万6000ppmですよ! 米はどうか? 最低でも1万2000ppm。高いほうは……とんでもない数値でした。ここには書けません。皆さん、パニックになってしまうから。

 

それに比べて自然栽培農家の作ったコマツナは、わずか3・4ppmでした。

 

農薬も問題です。日本は、農薬の使用量がとりわけ高い。平成22(2010)年までのデータによると上から中国、日本、韓国、オランダ、イタリア、フランスの順で、単位面積あたりの農薬使用量は、アメリカの約7倍もあります。

 

残留農薬のある野菜を食べ続けると体内に蓄積されていって、めまいや吐き気、皮膚のかぶれや発熱を引き起こすなど、人体に悪影響を及ぼすとされています。日本の食材は世界から見ると信頼度は非常に低く、下の下、問題外。

 

もう日本人だけなのです。日本の食材が安全だと思っているのは。

 

ヨーロッパの知り合いから聞いた話ですが、日本に渡航する際、このようなパンフレットを渡されたそうです。

 

「日本へ旅行する皆さんへ。日本は農薬の使用量が極めて多いので、旅行した際にはできるだけ野菜を食べないようにしてください。あなたの健康を害するおそれがあります」

 

 (講談社引用記事 終わり)




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